葦風の記録80

良いことは続き、悪いことも続く。

これはこの時 学んだ真理だ。

ではこの時、いったい何が起きたのか。

 

卒業式の日、近所の幼なじみである わしの一番の親友が、交通事故で一家三人死んでしまったのである。

 

このニュースは、わしはベッドの上で何気なくテレビを見ていて知った。

その時、わしの感覚が全て止まった。手がぶるぶると震えだした。わしは、ベッドから這い出して、そいつの家に電話をかけた。嘘のニュースと思ったのだ。当時は携帯もない。10円玉を撒き散らしながら、公衆電話を鳴らし続けていた。

当然、誰も出ない。茫然としていた。先日、見舞いに来てくれたあいつが、突然死んでしまっただと?しかもオヤジさんもお袋さんも一緒に?ありえないだろ!

わしは卒業式に出ることができなかったから、あいつは「お前の想いも一緒に受け取ってやるよ」って格好のいいことを言ってくせによ。

わしは現実を受け入れる事が出来なかった。