葦風の記録106

またもうひとり、運命的な出会いがあった。

同期ではなかったが、1年上の先輩でM谷明士さん。M谷さんは、諸事情あり2回生の時から囲碁部に顔を出していた。

信州の名門松本深志高校の出身で、M澤健太郎さんに師事し、入部した時から相当な腕だった。天才的な棋風で、勉強になることが多かった。この人のすごいのは、とんでもない凝り性で、本当に1日24時間くらい碁の訓練をしていた。これほどひとつのことに打ち込んだ人は見たことがなかった。

わしとは破天荒な生き方に共感しあったのか、非常にウマがあい、碁だけではなく、徹夜して人生について語り合ったりした。

Mさんも卒業後には地元に帰られ、長野県のアマ囲碁大会でたびたび優勝し、長野を代表する強豪になられた。

Mさんは今でも親友である。