葦風の記録18

天才少年と対局する機会は、案外早くやってきた。

中学生になり、大会で当たったのだ。

この時は年の功で、かろうじて勝った記憶がある。

ただ、既にK本さんの手の見え方はハンパなく、凄い才能だと舌を巻いた。

それから数ヶ月。彼は、道場を訪ねてきた。

そこでまた対局することになった。

あっさり負けた。何という素質だったのか。

やはり、彼はすげえ奴だった。