2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

箴言47

記録とは財産なり

葦風の記録94

次の日、わしは親友の墓の前に立っていた。 涙がボロボロと流れた。 おばあさんもやってきて、一緒に泣いた。 この時誓ったのだ。 オメエの分も、わしは生きる。 炎のように、突っ張って激しく生きるのだ。

葦風の記録93

さて合格発表の日。 家に届いた文書を開け、わしの番号を探した。 あったよ。 苦しいことがたくさんあったが、まあ良かったんじゃねえかな。 とりあえず、受験というイクサは終わった。 すぐに恒例となったお祝いが始まった。 近所の人を集めて、大いに酒盛…

箴言46

かたいこと言うな

箴言45

怒らない 感謝する これだけで 人生は変わる

箴言44

無念を力に変えて生きる

箴言43

信号のないところで 右折するな

葦風の記録92

2次試験が始まった。 この日のために、死ぬほどの訓練を積み重ねた。体調も万全だ。もう、怖いものはなかった。 2日目の試験が終わった後、解答速報を見て自己採点した。 ほとんど正解していたよ。

葦風の記録91

続いては2次試験。 先生方には東大を受けてくれと勧められたが、わしは断った。 高校受験のことを思い出したのだ。もう先生のために受験なんかしねえ。 自分の道は自分で決める。トンペイ1本に絞ったのだ。 こうして、再び仙台に舞い戻った。 リベンジである…

葦風の記録90

そしてやってきたセンター試験。それまで体調だけには気をつけてきた。 万全の体調で迎えることができた。 2回目となると、落ち着いて受験することができた。 結果は、730点。800点満点だったから、9割以上を叩き出した。 またも補習科トップの成績を修めた…

箴言42

経験こそすべて まずは 飛び込め

箴言41

量をこなせ 質は後から ついてくる

箴言40

人は歳を重ねると 無口になる それは 敬意の表れ

箴言39

正しい道なんて無い あるのは自分が歩いた跡だけ

箴言38

途方もない金を注ぎ込んで つまらない駄洒落を買う 人生そんなもんさ

葦風の記録89

成績は上向いていた。もはや東大も射程圏内で、先生からはしつこいほど受験を勧められた。 しかしある時、新聞を読んでいてハッとした。それはこのニュースだった。 「H岡聡選手(トンペイ大1年)学生十傑戦優勝」 何!ただでさえ強いトン北大学にH岡さん…

葦風の記録88

浪人生活が始まった。 わしはこの期間は勉強はさることながら、体調に気をつけていた。 たっぷりとした睡眠、規則正しい生活、栄養価の高い食事など。天候も毎日気をつけながら、とにかく万全の注意を払った。 常在戦場。 まさしくその心境だったよ。

葦風の記録87

さて5月の中頃に退院したら、今度は浪人生活が始まった。 予備校に通うのも金がかかるので、学費の安くて家から近いI雲高校の補習科を受験することにした。しかし補習科は、かなりレベルが高い生徒が集まっていた。 さて補習科の合格発表の日。先生から興奮…

葦風の記録86

この時、もうひとつ重大なことを学んだ。 それは健康管理の大切さだ。 どんなに優秀で、どんなに強くても、肝心な日に体調が悪くなっては何にもならない。 つまり、日々の食事、運動、体重、睡眠、気候などあらゆる事に注意が必要なのだ。そしてそれは日々、…

箴言37

人間のプロに 健康管理は 当たり前である

箴言36

健康管理は 人間のインフラ整備である

葦風の記録85

こうして、闘病生活は2ヶ月半で終わりを告げ、漸く退院にこぎつけた。 この入院生活は死ぬほど辛かったが、非常に良い経験になった。 特に人情というものを学んだよ。 見舞いに来てくれた人、くれなかった人、励ましの手紙をくれた人、くれなかった人。 こう…

葦風の記録84

この時から、わしは甦った。 医師の指示に従い、真剣に治療に取り組んだ。命をかけて、何としても治すのだ。 効果はあった。日に日に内臓が回復してくる実感があり、食欲も戻ってきた。 当初は半年ほどの入院予定だったが、とうとう2ヶ月ほどで退院できる目…

葦風の記録83

ベッドの暗い天井を見上げて思った。 病気、入院、不合格、浪人、友の死、退院の目処立たず…いったい何でこうも立て続けに不幸が起こるのか。わしが何か悪いことでもしたのか。 身体は重く内臓は壊れ、回復している自覚もない。いっそ死んだ方が楽じゃないの…

葦風の記録82

わしは、婆さんに言った。 「わしは必ずあいつの想いに応えるよ。あいつもやりたかった事がたくさんあっただろう。さぞ無念だったろう。あいつには世話になった。今わしができることは、あいつが自慢してくれた、わしが村一番の天才だったということを証明し…

葦風の記録81

それから2週間ほど経って、わしはまた電話した。繋がった。親友のおばあさんだった。一家が全滅して、歳老いた老婆がたったひとり残ってしまったのだ。 おばあさんは、いきなり大声で泣き出した。 「あの子は、あんたのことをいつも自慢してたよ、俺の友は、…

葦風の記録80

良いことは続き、悪いことも続く。 これはこの時 学んだ真理だ。 ではこの時、いったい何が起きたのか。 卒業式の日、近所の幼なじみである わしの一番の親友が、交通事故で一家三人死んでしまったのである。 このニュースは、わしはベッドの上で何気なくテ…

葦風の記録79

オヤジも自慢の息子が落っこちて、本当は荒れていたらしい。飲み屋で暴れまくったってのは後から聞いた話だ。済まねえことをしたよなあ。 だがそれを言葉に出さずに耐えたのは流石だと思う。 わしは治療に専念していた。 早く退院して、もう一度受験に臨みた…

葦風の記録78

入院して数日後、不合格の知らせが入った。ベストは尽くしたが、やはりダメだった。 この時期は、本当に辛かったな。 何しろ、死ぬ気で受験したのに誰も認めてくれなかったんだから。 それに(証拠は無いが)わしのミスでは無く、ただ事故みたいなことに巻き…

葦風の記録77

出雲市駅に迎えに来て、ぶったまげたのはオヤジだ。わしは土色の顔をして、駅に着いたとたんに力つきて倒れてしまったのだ。 ただならぬ状況を察したオヤジは、そのまま病院へ連れて行ってくれた。 そこで診察を受けたが、医者に言われたのがこの言葉。 「あ…