葦風の記録30

この年には、もうひとつ忘れられない出来事があった。

それは県中学生名人戦である。

3年生で参加していたわしは、県史上初の三連覇が懸かっていた。

しかしこの年は、I塚さんやI上さん、またO庭さんなど強敵がひしめく状況だった。

誰が優勝してもおかしくない、そういう下馬評だったのだ。

わしは珍しく燃えていた。なぜなら、県最年少の6段になったばかりだし、絶対に破れない3連覇をやりたかったのだ。

(当たり前だが、中学生3連覇は破りようがない(笑))

こうして大会は始まった。