葦風の記録67

既に9月になっていた。悩んでいても解決しないので、とりあえず赤本を取り寄せて猛勉強することにした。

進めているうちに、高校受験とは訳が違うことに気がついた。青くなった。甘く考えていた。インターネットも無い時代だ。情報も不足していた。

先輩たちに意見を聞こうとしたが、高校の先輩にはトンペイ大学に行った人は誰もいなかった。そうだろう、当時S県からトンペイに進学するのは県全体でも1人か2人くらいだったのだ。みな、近い関西か九州の大学に進学していたのだ。

わしは腹を決めた。ほぼ独学で、受験に挑むのだ!