葦風の記録9

それからは勢いがついて、毎月1級ずつ上がっていった。

自分では気がつかなかったが、異例のスピードだった。

そして数カ月後、ついに先生に初勝利を挙げた。このときには、黒石は全て生きることができ、さらには先生の石を取ることができるようになっていた。

そして、自信がつきだすと、勝ちが止まらなくなった。

毎週のように先生に勝つようになり、先輩たちは「なんで出雲屋はいつも勝てるのだ?」と不思議がった。

自分でも、なんで勝てるのか、わからなかった。

ただ、ひたすら楽しかったのだ。