葦風の記録10
9ヶ月で1級に昇級したわしは、小学5年生になっていた。
そんなある日、先生から手紙が届いた。
「日々の練習、お疲れ様です。出雲屋くんの対局態度はいつも真剣そのもので、実に立派です。今年は、入段が期待できます。気を引き締めて、練習に励んでください。」
わしは、すっかり感動してしまった。
高齢で寡黙な先生だったが、わしに目をかけて、真剣に指導してくださったのだ。
当時のわしは、今では想像もつかないくらい真面目だったようだ(笑
ボンクラだったわしの能力を引き出してくださった先生には、心から感謝している。
そして、この後、わしの人生を変える出来事が待っていた。