葦風の記録20

今では、K本さんとは親友(わしが勝手に思っているだけ笑)だ。

後に、立派なプロ棋士となったK本さんと、いつか本音で話したことがある。

「小さい頃、大社の天才と呼ばれた自分だが、出雲の天才と呼ばれた出雲屋さんには、なかなか勝てなかった。だから、私は出雲屋さんを超えるためにプロ棋士を目指したのだ。」

まだ幼い中学生の、なんという激しい決意と行動力だったのだろう!

わしはそれを聞いて、やはりこの人は本当に凄い人だと思ったものだ。

そして、K本さんの人生まで変えてしまった囲碁の魔力に、畏れを抱かずにはいられなかった。