2019-09-06から1日間の記事一覧

葦風の記録41

初日の様子は、よく覚えている。 担任は、英語が専門のちょっとキレイな女性だった。 この人が、言い放ったのだ。 「あなたたちは、県下から選りすぐられた精鋭40名たち、言わばエリート中のエリートです。あなたたちは、学年の、いや県の模範とならなくては…

葦風の記録40

わしは最初の勢いはどこへやら、悩んでいた。だって、こいつらとはケンカにならないもの。同じ土俵に立って戦わなくては、そもそもケンカにならない。(別にケンカ相手を探していたわけではない(^^)) わしとは、会話が成立しないのだ。 昼メシの時も、休み…

葦風の記録39

こうして、ついに高校に合格した。 しかし浮かれていられたのは、始めだけだった。 緊張してクラスに足を踏み入れると、そこには経験したこともないような世界が広がっていた。 理数科というクラスは、今までとまるで雰囲気が違っていた。 異質な空間だった…

葦風の記録38

こうして、高校入試を迎えた。 人生初の受験だが、わしは不思議と落ち着いていた。これはおそらく囲碁の試合で度胸がついた結果なのだろう。 さっさとスラスラ答案を書いて帰ったことを覚えている。やることはやった、結果は天に任せるのみだ。 さて、どうな…

葦風の記録37

都会の人には信じられないかもしれないが、わしは学習塾に行ったこともなければ、公文やベネッセやZ会や通信講座の類も一切やったことがない。 ただ、教科書と学校でもらった教材をバリバリ丸暗記しただけだ。 それでも、点くらい取れる。 要は、どうしても…

葦風の記録36

こうして、体力を活かして猛勉強を続けた。 先生にお墨付きをいただこうが、田舎の中学で1位になろうが、I雲高校の理数科に入れる保証なんかどこにも無かったのだ。 合格の目安は、当時はっきりしていなかった。めんどくせえから5教科で各90点、合計450点を…