葦風の記録40

わしは最初の勢いはどこへやら、悩んでいた。だって、こいつらとはケンカにならないもの。同じ土俵に立って戦わなくては、そもそもケンカにならない。(別にケンカ相手を探していたわけではない(^^))

わしとは、会話が成立しないのだ。

昼メシの時も、休み時間にも英語の単語を覚えるクラスメイトたち。

いつも勉強ばっかりしている奴ら。それは、医師になるためには仕方がないことだったのだろうが…

しかし、わしには全然理解できなかった。

そんなことばかりして、お前ら楽しいのか?

そんなことばかり考えていた。

わしは、このクラスでは、あまりにも浮いていた。

囲碁部に入る気も失せてしまった。

生きる場所を完全に間違えた不良。

べっとりとした孤独。

それが16歳のわしだった。