葦風の記録2

わしは小学4年の時、囲碁に出会った。

そのきっかけが、わりと面白い。

それはこうだ。

ある日父によばれて、こう言われた。

「近くに学習塾ができたから、行け」と。

わしが育ったところは、とんでもない田舎で、塾なんて珍しかった。

成績も悪く、わるさばかりしていた 不良のわしに、手を焼いていた父は、塾にでも通わせようとしたのだ。

だがわしは塾なんてまっぴらゴメンだった。

今までもそうだが、遊んでいるほうが楽しかったのだ。

そこでわしは一計を案じた。

父は囲碁が好きだった。

父がたまに自宅に人を招いて碁を楽しんでいるのを見ていたのだ。

そこでわしは、父と交渉した。

囲碁塾だったら行く」と。

しかし、わしは囲碁のルールさえ知らず、当時何のことやら分かっていなかった。

ただ学習塾に行きたくなかったのである。

父は考えていたが、やがて嬉しそうに、

「それなら行けや!」と許してくれた。

これが、わしが囲碁を始めた不純なるきっかけである(^^)