葦風の記録48
碁心が蘇り、わしは夏以降 一生懸命に練習を重ねていた。
ある日、道場で先生に呼ばれた。
「今度、私が審判長をする赤旗囲碁 県大会が開かれる。参加しなさい。」
そう言われた。
当時、わしは一般の大会に参加したことがなかった。学生の大会が楽しくて、一般大会にはあんまり興味がなかったのだ。
しかし珍しく先生が言われるもんだから、参加することにした。
さて、その結果は。
なんとなんと、優勝してしまったのだ。
これは実は、S県を震撼させた大記録だった。
高校1年での一般大会の優勝は、つい最近まで何十年も破られなかったのだ。
後で聞いたら、先生は十分な自信を持ってわしを送り出したという。
わしは幸せもんなんだよな(^^)