葦風の記録100

翌日、囲碁部の部室の前に立っていた。

柄でもないが緊張したよ。なぜならこの日のために、様々な困難を乗り越えてきたのだ。そして、わしは日本最強のトンペイ大囲碁部の主将にならなくてはならないのだ。

心の中で声がした。〈お前に本当にできるのかよ。。そんなこた、やってみなけりゃ分からねえ〉

さあ行くでえ。

ドアを開けると、先輩と思われる方々が数名いた。

「お、入部希望者か?」と、にこやかに話しかけてこられた。わしは黙ってうなずいた。「君、どれくらい打つの?まずは打ってみようか。誰が相手にいいかな?」

次にわしが放った言葉は、伝説となった。

「一番強いの誰ですか」

これを聞いて、先輩達の顔色がさっと変わった。「なんだとこの小僧…」そう言わんばかりの態度で睨み付けられた。

そう、わしは全員にケンカを売ったのだ。