葦風の記録101

今となっては笑話だが、当時はわしも大まじめだった。若いっていいよねえ(笑

さてその時、「俺が打とう」と言ってある先輩が相手をしてくれた。後で知ったのだが、その方は前年の団体戦の補欠選手だった。

わしの先番で始まった。

わしは誰であろうが、ぶっ倒すつもりで打っていた。しかしさすがに先輩は強かった。局面が進むと、わしの形勢は悪くなっていった。

その時、横の方でこそこそと声が聞こえた。「なんだよ、あいつ大口を叩いた割にはたいしたことねえなあ」

わしはハッとした。そうだ、こんなところで負ける訳にはいかない。集中力を高めるのだ。

そこからわしは持ち直した。先輩の僅かなスキを捉えて、技を決め逆転に成功した。

大学初勝利の瞬間だった。