葦風の記録78

入院して数日後、不合格の知らせが入った。ベストは尽くしたが、やはりダメだった。

この時期は、本当に辛かったな。

何しろ、死ぬ気で受験したのに誰も認めてくれなかったんだから。

それに(証拠は無いが)わしのミスでは無く、ただ事故みたいなことに巻き込まれて落っこちただけなのに、誰も真相を理解してくれなかったのが悲しかった。

こんなことがなけりぁ、わしは絶対に受かると思っていたのに…

クラスメイトも先生たちも、わしのことを「健康管理、自己管理ができなかったバカ」という目でみていた。

近所の人たちも、人の不幸が楽しくて喜んでいたらしい。まあ、わしは何事にも目立っていたから、その気持ちはわからんでも無い。それにしても情けねえやつらだ。でも心底悔しかったねえ。

追い討ちをかけるように、医師から宣告された。内臓がひどくやられていて長期の入院になるという。。ああああ

どうすることもできないベッドの上で、あがきながら我が身の不運を嘆いたものさ。

 

しかしこんな状態でも、味方がいた。それはオヤジだった。

見舞いに来てくれたオヤジは言った。

「お前はいつもやり過ぎだ。死んだら何もならねえ。ちったあ反省しろ。だけど、ここまでやれる奴は滅多にいねえよ。それだけは誇りに思うわい。お前こんな修羅場を潜ったんだ、これからはきっといい事があるだろうぜ。」

ヤクザかよ笑 オヤジらしい激励だったな。