葦風の記録83

ベッドの暗い天井を見上げて思った。

病気、入院、不合格、浪人、友の死、退院の目処立たず…いったい何でこうも立て続けに不幸が起こるのか。わしが何か悪いことでもしたのか。

身体は重く内臓は壊れ、回復している自覚もない。いっそ死んだ方が楽じゃないのかとまで思った。

しかしその時、奴の顔が頭に浮かんだ。あいつは笑っていたよ。

 

そうか、死んでいる場合ではない。

それを真に自覚したのだ。